人類は太古の昔から大空を見上げては、世界をより深く理解したいと願ってきました。20世紀には、人類はとうとう星の海に飛び立ち、いまや私たちは遥かな高みから世界を全て見ることができ、生活におけるより適切な展望と、地理や私たちが暮らす世界に関する詳細な情報を手にすることができるのです。

空が私たちにこの物理的世界についての深い洞察を与えてくれたことと同様に、ブロックチェーン技術は私たちにデジタルな世界についてのより深い理解を提供してくれるでしょう。私が率いるソラミツは、日本の東京を本拠とするブロックチェーン技術に関わる会社です。私たちは、ブロックチェーンのデジタルな世界と現実世界のユーザーを結びつけるためにデジタルアイデンティティを用い、次世代のスマートブロックチェーンを開発しています。

私のいう「次世代のスマートブロックチェーン」とはどういう意味でしょうか?これこそ私が今後の投稿でもっと詳細に説明したいことなのですが、このようなシステムの目標は、人々に力を与え、意思決定・自動化・そして資産の安全な管理を手助けすることです。最終的な目標は、この世界をより良い場所にすることです。「テクノロジーは人間社会を助けるために開発されるべきであり、テクノロジーのためのテクノロジー開発であってはならない。」アメリカ人哲学者であるLewis Mumfordはこのことをモノテクニックに対しポリテクニックと呼び、人類に有益な技術とは、社会のニーズを満たすために多面的でなければならないと提言しました[1]

加えて私たちは、現在の金融システムについて、その果たすべき役割の線引きを明確に定めた上で、より持続性に注目して構築するようにも取り組むべきです[2]。この動きを支援するために、私達は新しくデジタルな価値の貯蓄の形である、「Sora」を開発しています。Soraは日本語の「空」を意味しています。空が世界を遍く覆うように、Soraもまた全世界的な装置となることを私たちは願っています。Soraは、人々に価値の貯蓄を自らコントロールする手段を提供するだけでなく、純粋にデジタルな環境での取引を可能にします。

価値をデジタルデータに変えることで金融を民主化することに、私たちは情熱をもって取り組んでいます。そして、この民主的なシステムをサポートする開かれたインフラストラクチャの構築を手助けしたいと考えています。この構想の一部は既に、Hyperledger Iroha(以下、「Iroha」)という、オープンソース・ブロックチェーン開発への継続的な貢献という形で実現しています。私たちはIrohaのオリジナル開発者であり、IrohaをLinux FoundationのHyperledger Projectに寄贈しました。なぜなら私たちは、人々にどのような任意の資産でもその作成と管理を可能にするシンプルなツールを開発したかったからです。超知能的な人工知能がやがて人類を支配するであろう、デジタル経済の時代を迎えつつある中で、人々が自らの資産を自らコントロールする手段を持つことはとても重要なのです。